未分類

『良いこと悪いこと』真犯人は誰?宇都見の口パクが意味するものを考察【第9話】

第9話で、ついに連続殺人事件の実行犯が明かされたドラマ『良いこと悪いこと』。
しかし、すべてが解決したかと思った直後、宇都見が見せた“口パク”と、次週予告の「真犯人だーれだ?」という不穏なテロップが視聴者の心に強烈な引っかかりを残しました。
この記事では第9話時点で確定した事実を整理しつつ、なぜ物語が「真犯人」という言葉をあえて残したのかを丁寧に考察していきます。

宇都見が連続殺人犯だったという事実

第9話で明かされた最大の事実は、宇都見が一連の連続殺人事件の実行犯だったという点です。
ここに関しては、演出上のミスリードはなく、物語としてもほぼ確定情報と受け取ってよいでしょう。
まずは、宇都見がなぜそこまで追い込まれたのか?その背景を整理します。

明かされた動機と過去

宇都見は、瀬戸紫苑の婚約者でした。
そして紫苑は、過去に職場でのいじめを原因に自ら命を絶っています。
第9話では、宇都見がその事実を誰にも相談できず、怒りと後悔を内側に溜め込み続けていたことが描かれました。

重要なのは、彼の復讐心が「いじめた当事者」だけでなく、「見て見ぬふりをした周囲」にも向いていた点です。
紫苑を守れなかった社会全体への絶望が、彼の価値観を歪めていった。
そう考えると、宇都見の行動は突発的な狂気というより、長年積み重なった感情の爆発だったように見えます。

視聴者としては、決して許されない行為だと理解しつつも、完全に切り捨てきれない複雑な感情を抱いた人も多かったのではないでしょうか?
「もし自分が同じ立場だったら」と、一瞬でも考えてしまう。
その揺さぶりこそが、このドラマの怖さです。

なぜ復讐という形を選んだのか

宇都見は、法に訴える道を選びませんでした。
それは、彼自身が「正義」や「救済」というものを、すでに信じられなくなっていたからだと考えられます。

いじめは、証拠が残りにくい。
周囲は「知らなかった」で済ませてしまう。
紫苑が命を絶った後も、誰も責任を取らなかった。
その現実を前に、宇都見の中で社会的ルールは意味を失っていったのでしょう。

だからこそ彼は、自分が裁く側に回るという最も危険な選択をしてしまった。
復讐は紫苑のためというより、自分自身が壊れないための最後の手段だった。
そう見えてしまうのが、この物語の残酷なところです。

宇都見の「最後の口パク」は何を意味していたのか

事件の全貌が明らかになった直後、それでも視聴者を最もざわつかせたのは、宇都見が確保される直前に見せた“口パク”でした。
音声はなく、唇の動きだけが強調される演出。
あまりにも意味深で、「これで終わり」とは思えない余韻を残しました。

「あとは頼んだ」に見えたという声

SNS上では、この口パクが「あとは頼んだ」と言っているように見えた、という意見が多く見られました。
もしそうだとすれば、その言葉は明らかに“誰か”に向けられたものです。

つまり、宇都見は一人で完結する存在ではなかった可能性が浮上します。
誰かが計画を知っていた。
あるいは、宇都見の意思を引き継ぐ存在がいる。
そう考えると、口パクは単なる演出ではなく、物語の核心を示すヒントになります。

制作側があえて台詞を聞かせなかった点も重要です。
言葉を断定させず、視聴者に考えさせる余地を残す。
これは「真犯人」というテーマを際立たせるための、計算された沈黙だったように感じます。

自分を止める役割を託した可能性

もう一つ興味深い考察が、「宇都見は自分を止める役割を誰かに託した」という解釈です。
彼は、自分の行為が正しいとは思っていなかった。
それでも止まれなかった。
だからこそ、最後に“止めてくれる存在”を必要としていたのではないか、という見方です。

この場合、「あとは頼んだ」は罪をなすりつける言葉ではありません。
むしろ、すべてを終わらせるための最後のお願いだった。
キングに疑いが向く流れすら、宇都見の中では計算のうちだった可能性もあります。

自分が悪者になることで、物語が一度終わる。
その上で、本当の問題が浮かび上がる。
宇都見の行動が、そこまで自己犠牲的だったとしたら。
そう考えると、彼の口パクは一層重く響いてきます。

真犯人は別にいる?考えられる2つの解釈

次週予告で表示された「真犯人だーれだ?」というテロップ。
この一文がある以上、物語はまだ終わっていません。
ここからは、現時点で考えられる二つの大きな解釈を整理します。

解釈① 共犯者・黒幕が存在する説

一つ目は、宇都見の背後に共犯者、もしくは黒幕が存在するという説です。
候補として名前が挙がっているのが、今國、東雲、そしてキングの妻です。

彼らはいずれも、事件の核心部分で決定的な描写を避けられてきました。
語られていない過去。
不自然な沈黙。
視線の演技。
細かい違和感が積み重なっています。

もし黒幕がいるとすれば、宇都見は“実行役”に過ぎなかったことになります。
そうなると、「真犯人」とは手を下した人間ではなく、物語を設計した存在ということになる。
このドラマが描こうとしているテーマとも、非常に相性の良い構造です。

解釈② 諸悪の根源=キング真犯人説

もう一つは、「実行犯と真犯人は別」という考え方をさらに推し進めた解釈です。
その中心にいるのが、キングという存在です。

キングは直接手を下していません。
しかし、彼の言動や影響力が、周囲の人間を追い詰め、歪ませてきた。
もしそうだとしたら、彼こそが諸悪の根源であり、真の意味での犯人だと言えます。

この場合、最終回で問われるのは「誰が殺したか」ではありません。
「誰が人を壊したのか」。
その問いに、視聴者自身が答えを突きつけられる形になるでしょう。

ターボー(小山)が殺害された意味

数ある犠牲者の中でも、ターボー(小山)の死は、特別な重さを持っていました。
彼は完全な悪人ではありません。
どこにでもいそうな弱さとずるさを抱えた人物でした。

だからこそ、彼の死は視聴者の感情を強く揺さぶります。
「殺されるほどの罪だったのか」と、考えさせられる。
この違和感こそが、物語の狙いだったように思えます。

ターボーの死は、復讐の正当性を揺るがすための装置です。
線引きできない罪。
裁けない感情。
その象徴として、彼は犠牲になった。
そう考えると、最も残酷で、最も重要な死だったと言えるでしょう。

まとめ

  • 宇都見が連続殺人事件の実行犯であることは確定している
  • しかし、確保直前の口パクは「誰か」の存在を強く示唆している
  • 次週予告の「真犯人」という言葉は、実行犯とは別の責任の所在を問いかけている
  • 最終回で焦点となるのは、「誰が罪を背負うのか」「誰が人を壊したのか」という点

物語は、犯人探しの段階をすでに超えています。
残されているのは、もっと重く、もっと苦しい問いです。
最終回で、その答えがどこに着地するのか。
視聴者一人ひとりの心も、試されることになりそうです。

-未分類
-, ,